難聴亭日乗

つれづれなるままに その日ぐらし

9/16 わーすた定期ライブ わーすたランド わ-7

 

昨年、彼女たちが定期ライブわ-3で渋谷 TSUTAYA O-EASTに立った時、大きな挑戦に思えた。しっかりと構成を練り上げ、「わーすたの世界観」を大事にした、グループとしてはこれまでの総決算であり、ツアーへ進むために踏み固めておかねばならぬ土台のような位置付けのライブだった。

「わーすたはもっと上を見てるよ」と、わ-3直後のブログに書いていた廣川奈々聖。あのとき、O-EASTという通過点に、メンバーが感涙してしまっていたならば、現在のわーすたはなかったかもしれない。もうあまり大きく感じられなくなったO-EASTに立つ今の彼女たちを見て、ぼんやりとそんなことを思った。

 

 

【1部】
Overture(海ver.)
NEWにゃーくにゃくにゃ水族館2
ワンダフル・ワールド
ーーーMCーーー
Magical Word
恋するにゃこたん~フリもフラれもあなたのまま~
にこにこハンブンコ(美里・梨々華・葉月)
ーーーVTRーーー
ゆうめいに、にゃりたい。
ーーーMCーーー
キミ恋てれぱしー(スト生曲)
黄昏バイシクル(スト生曲)
ねぇ愛してみて(瑠香・奈々聖)
ダンスパート
約束だから
ちいさな ちいさな
うるとらみらくるくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ
ーーーENCOREーーー
いぬねこ。青春真っ盛り(intro long&おかわり)

【2部】
Overture(海ver.)
NEWにゃーくにゃくにゃ水族館2
ぱわわわん!!!パワーパフガールズ
完全なるアイドル
ーーーMCーーー
きっとFor you!(スト生曲)
Peace!Smile Girl!(スト生曲)
Just be yourself
ーーーVTRーーー
いぬねこ。青春真っ盛り
ーーーMCーーー
好きな人とか居ますか(瑠香・奈々聖)
ダンスパート
Doki Doki♡today
ワンダフル・ワールド
約束だから
ーーーENCOREーーー
グーチョキパンツの正義さん。
うるとらみらくるくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ(intro long)

わーすた 公式ブログ - 坂元葉月*わのなな*865 - Powered by LINE

 

 

今回のステージは「海」

Overture、吹き出すシャボン玉の泡に包まれながら、私たちはわ-7へと潜っていく。

一曲目『NEWにゃーくにゃくにゃ水族館2』で海中遊歩を諒解したのも束の間、『ワンダフル・ワールド』での「空気を吸って始めましょう」に戸惑ったり、いやでもそれが「現実ファンタジー」なのかもしれないと『Magical Word』を強引に結び付けたり。

 
f:id:pa39krytmy:20170922225235j:image

 

全体的に工夫の凝らされた構成だった。廣川・三品がアコースティックVer.で歌い上げたり、残る小玉・坂元・松田の三人でのダンスパフォーマンスなど、メンバー発案だという演出も楽しめた。なにがはじまるのやらとドキドキしながら見入っているうちに突入する『Zili Zili Love』のイントロが最高にオシャレ。

 

こういった新しい試みが、わーすたの「定期ライブ」に臨む姿勢を映している。既存曲『ぱわわわん!!!パワーパフガールズ』の新振付にも、それは存分に表れていた。激しいかっこよさの中にも、可愛らしさがある、まったく生まれ変わった個性的なダンスは、ここまで踊れるようになった、ここまで表現できるようになったという成長が見られたし、それをこの場で見せたいんだという思いも感じられた。

 

 

 

セットリストについては、やはり今回特筆すべきは、ストリート生時代の楽曲だろう。

直前のMCで「久しぶりにやる懐かしい曲を」と言った時点でなんとなく予感したが、それでも『キミ恋てれぱしー』と聞こえた瞬間は崩れ落ちそうになるくらい興奮した。大好きな曲だ。

 
f:id:pa39krytmy:20170922225325j:image

 

 

ライブ中はとにかく、久しぶりにパフォーマンスする彼女らの「思い入れのある曲」たちをひたすら楽しんでいたが、終演後は複雑だった。

ストリート生時代の曲は、昨年のツアーで、最高の形で演り切られていたからである。各地で青春の日々の追憶を集め、未知なる明日への約束を鞏固に結んだからこそ『約束だから』は昨年のツアーを象徴する曲と成り得たのではないか。

青春の日々は、儚くて、愛おしくて、切なくて、だから綺麗なのである。そう何度も覗き見るものではない。「また会う日まで」と告げた別れは、「君と約束の小指、忘れない」の言葉は、決して軽々しく扱ってはならない。『約束だから』という楽曲そのものを殺しかねないからだ。

 

然し、なぜいまこのタイミングで披露したのか、それを考えると、納得のいく答えに辿り着いた。

iDOL Street ストリート生は、この夏、全員卒業という形で終わりを迎えた。大切な場所へ思いを馳せるには、感謝を歌うには、「あの頃」の自分と向き合うには、そしてもう一歩進むには、またとない機会だった。

 

懐かしの曲を今回は披露。
やっぱり楽しくて なんだかすごい気持ちが良くて
「あの頃」を思い出したり。

 

あの頃からずっとずっと変わらず
応援してくれてる方も 昨日いて

 

まだまだ未熟だけど
変わりたいと思って アイドルになった
あの頃の私から 何か変われたかなって🍡

 


それからわーすたの松田美里から
応援してくれとる方には、こういう姿も
みてもらえて嬉しかった♡

これからもよろしくねという
気持ちを込めたんだけど、届いた?🐰ふふふ

わーすた 公式ブログ - みりてこ、わのなな - Powered by LINE

 


f:id:pa39krytmy:20170922225355j:image

 

 

「海」のステージだということも、改めて考えたい。

フランスの詩人ボードレールは、『人と海 L'Homme et la mer』という詩で、「海は君の鏡 La mer est ton miroir」だと言っている。人と海とは、どちらも深淵を持っている点で似ている。

底も知れぬ海中に潜っていくと同時に、己の心の奥深くにも辿り着いていたのだ。自分自身をよく見つめ直す、今回はそういうステージだったのかもしれない。そのためにもストリート生時代の楽曲は必要だった。

 

『Peace! Smile Girl』が攻略のカギを握っていた。蜿蜒繰り返す波のような「同じ景色 同じ道を 通う毎日」の憂鬱を吹き飛ばす根源の感情、「笑ってピース!楽しもう」という一番大切なこと。それさえ忘れなければ、この広い世界どこでだって遊べる。どんな夢へも向かって行ける。

 

 

ツアーに臨む上で戦っておかねばならない重要なステージだった。

ファンの私としても、気づくことが多々あった。なにより一番は、一部も二部も頭を空っぽにして楽しめたことだ。ツアーも楽しみだし、いよいよボスが出現するという次回わ-8、その先の展開、それにフルバンドライブも。

廣川が「この5人でどこまで行けるかな」と言っていた。どこどこを目指す、ではなく、どこまで行けるかと問うている。未知なる歩みは涯を知らない。

 

8/10 iDOL Street ストリート生 夏の壮行会

 

通っていた小学校が統廃合でなくなったとき、なんとも言えない悲しさに胸が締め付けられたのを覚えている。昼休み走り回った運動場、必死に逆上がりを練習した鉄棒、友達と笑い合ったり先生に怒られたり色んな思い出の染みついた教室も、ひとつ残らずなくなった。

それでも昔を懐かしめば、そのどれもは鮮やかに蘇る。決して忘れることはないだろう。自分が育ってきた場所、「原点」とはそういう場所である。

 

ストリート生という場所が終わる最後のライブ。

会場である恵比寿CreAtoには、卒業生や先輩グループの面々が大勢集まっていた。皆がここまで繋いできたバトンを握りしめて、アンカーとして走り抜ける5人を見守るために。


f:id:pa39krytmy:20170816210019j:image

 

 

スト生 夏の壮行会セットリスト

1.恋してYES〜これが私のアイドル道!〜

2.いわゆるアイドル

3.Peace!Smile Girl

自己紹介MC

4.ココロのビー玉

5.僕だけのサンシャイン

6.全力!ダーリン

MC

7.あこがれストリート

8.黄昏バイシクル

9.secret base 〜君がくれたもの〜

卒業映像

10.Summer Street JUMP!!

11.キミ恋てれぱしー

12.絶対!Love Magic

 

EN1.YOU & IDOL

EN2.キラキラ☆ホリデー

 

 

 珠玉の楽曲たちを、キラキラと歌い踊る5人がいた。

「昔の人が信じたとおりに信じることができなければ、昔の人が経験したとおりに経験することができなければ、歴史なんて読まないほうがいい」とは、徳川時代国学者の説である。あの子たちは、先輩たちが信じたとおりに、経験したとおりに、ひとつひとつの楽曲に流れる歴史を、まっすぐ読み取り伝えてくれた。

歴史は鏡である。彼女たちそれぞれが、そこに自己を映す。ついに自分自身が発見できたとき、進むべき道が見えてくる。5人は今後について話してくれた。孰れも前向きな今後だった。

 

悲しいライブにはならなかった。壮行会ってなんだ、と疑問に思った武井紗聖がスタッフに教えてもらった「壮行会とは送り出すこと」、だからこそ「前向きだから、最高な気持ちで送り出してもらいたいんだ!」とブログに綴っていたのを思い出した。最高に楽しいライブだった。

 

 『YOU & IDOL』の歌詞が実感を伴って響いてくる。Aメロはアイドル、Bメロがファンの声。ハイテンションに懸命に、誰一人おいてけぼりにはさせぬよう場を盛り上げるキミの声を、いつまでもこの場所から聴かせてほしい。そして、僕のこの声を届けたい。

続くサビは双方の想いが重なって歌われる。

「ずっとずっとここにいたいんだ」そんな気持ちを爆発させて、お互いにハートからの声を届け合う。これこそが「キミと僕の大切なメロディ」であるから、「この瞬間はいつまでも僕とキミだけの宝物」となる。

 

『Summer Street JUMP!!』の「君が見てるこのステージが 時を止めてしまうよ」という一節を思い出さずにはいられない。永遠は一瞬間の裡にある。止まった時間は点となり、もう流れることはなく、私たちの時間から抜け出して、ずっとずっと残り続ける。

だから私たちは安心して進みだせる。「一緒に繋ぐあの未来を この笑顔に誓えますか?」

この曲は卒業映像、そしてスト生を振り返るMCの直後に置かれていた。涙を拭いて、キラキラとした笑顔でパフォーマンスする彼女たちを見て思った。「間違いじゃない 君を選んだことは」…

 

 

横野すみれを知ったのは、昨年のストリート生選抜 さますと を観たのがきっかけだ。歴が浅く見る機会も少なかったので、彼女のことはなかなか摑めずにいた。

女優という夢に向かって寡黙に実直に努力を重ねていく姿を、二度の舞台で見つめることができた。そしてその摑みづらかった彼女の、透き通るような美しさは、舞台に、芝居に向いていると感じた。

 

すーちゃんは『あこがれストリート』で、サビの最後のパートを任されていた。

「どんな夢みたいな夢でも 叶えるから 私を見ていて」

涙が止まらなかった。あこがれを追いかけて、ストリートを飛び出してもまだまだ走り続けるすーちゃんを、これからも見つめていたい。

 

 
f:id:pa39krytmy:20170816210133j:image

 

 

今回のライブで、この場所が、ストリート生という皆の「原点」が、どんな場所かということを知れた。わーすたの松田美里がブログで「iDOL Streetにストリート生が 存在してたことを 5人が最後に 全力で証明してくれた」と書いていた通り、5人が大切なことを伝えてくれた。

将来の夢、大きな希望を歌って卒業していった5人に、卒業生や先輩たちも前に進む力を貰っただろう。そしてまたいつか夢みる道の先で会えるといい。そんな未来を心待ちにしている。

 

 

7/30 アリスインデッドリースクール ビヨンド OSAKA

 

生きた人間が、だんだん死体に変わっていく。この恐怖を、長妻美玖演じる辻井水貴は「あたりまえのこと」だと斬り捨てる。「生きていたっていつか死ぬ。みんな少しずつ死体に変わっていくだけ」だと。

どこまでが人間で、どこからが死者なのだろう。

 

むかし観たモーニング娘。の舞台『ステーシーズ 少女再殺歌劇』を思い出す。

14から16までの少女が突然死に蘇る。歩き回る屍をもう一度闇に帰す「再殺権」は親族・恋人にのみ許され、彼らはかつて愛する人だったそれを165分割以上の肉塊へと解体する。

福田恆存が書いていた「愛欲は閉ぢられた世界であり、その底に沈殿して行けば、たとへ外部からの干渉や妨害が無くても、といふ事はそれ自身の完成の爲にも、死を必要とせずには濟まされぬものである」というシェイクスピアの解題を思い出す。残酷だが、これがひとつの愛の完成だ。

しかし劇中には、変わり果てた恋人を匿い、最後まで共に「生きよう」とした者も居た。これも彼の愛に違いない。愛、そして生死というものはなんと微妙なものか。

 

 

話を今回の舞台に戻す。

『アリスインデッドリースクール』は、アリスインプロジェクトの原点であり、改訂を重ねこれまで幾度も再演されてきた人気作なのだそうだ。

ある日突然崩壊する日常。動く屍から逃げ延びた少女たちが屋上で繰り広げる、強烈に人間らしい「生」の物語。

 

パンフレットにあった「取り残された屋上で、彼女たちが恐怖と戦い、飲み込まれ、それでも頑張って生きるために成長しようとする姿は、そのままキャストたちの今を反映しています」という演出・扇田賢氏の言葉そのままに、演技経験のまだ少ない少女たちが、プレッシャーや不安と戦い、稽古を重ね、皆で舞台を成功させようと奮闘する姿を、屋上の彼女たちに見た。

絶望的な世界の中で、彼女たちの「夢」と「絆」がキラキラと輝いていた。ものすごくいい演目だと思った。

 
f:id:pa39krytmy:20170801180400j:image

 

 

昨年の『クォンタムドールズOSAKA』に引き続いての出演となった横野すみれは今回、W主演の一人という大役を任せられた。百村信子は、すーちゃんの所属するiDOL Street ストリート生の中から、過去に東京で武井紗聖が演じた役柄である。(札幌では卒業生の吉村ほのかも演じていた)

 

そういうプレッシャーや不安の中でも、楽しんで毎日の稽古に励んでいたすーちゃん。

「この舞台観なかったらぜったい後悔すると思うよ!」「すみれのお芝居してる姿、観にきてね」の言葉から感じられる自信は、その裏に、出来なくて悔しくて泣いたこと、日に100回は踊り込んだこと、風邪を引いて寝込んだとき稽古がかなり進んだのを心配して台本と一緒に寝たこと等々があったのを知っているからこそ力強く響いた。

 
f:id:pa39krytmy:20170801180428j:image

 

 

肥川彩愛演じる墨尾優と百村信子は、ノ☆ビューンという漫才コンビを組んでいる。絶望に包まれた世界でも、二人は周りを笑わせる。優の無邪気で変幻自在なボケを、ノブが上手く拾い、敷衍し、伝えていく。屋上の皆は、死に直面した状況ながらも、思わず笑みをこぼす。そうして、生きていることを実感する。二人の生み出す「笑い」から生が広がっていくのを感じ、人間が「笑う」ということについて深く考えさせられた。

 

f:id:pa39krytmy:20170801180732j:image

 

ノブと優の息がぴったりで、客席からも笑い声がちらほら聴かれた。すーちゃん曰く、関西弁での漫才を聞き慣れているので、標準語は難しく、東京の漫才師のネタを見てよく勉強したのだそうだ。普段はポワンとした印象のあの子があれだけキレのある、それでいて嫌味のない自然な標準語のツッコミをものにしていたのは、相当の努力が窺われた。

 

f:id:pa39krytmy:20170801180503j:image

 

序盤の息がぴったりだったのもあって、終盤、ノブが衰弱して「…うん」としか返せなくなったシーンは余計つらかった。

とても難しい場面だったと思う。「うん」のタイミングが一秒遅い、または早いだけでも大幅に印象は変わってくるだろう。私は30日の千秋楽一公演しか観ていないので較べようがないのだが、特典会でこの演技についてすーちゃんに訊いたところ「その日によって早い遅いは違った」と言っていた。「この日が一番よくできた」とも答えていた。千秋楽のあれは、公演期間中に試行錯誤の末摑みとった、畢竟の「間」だった。

 

印象に残ったシーンで言うと、やはり「主役は最後に登場するんだよ」が強い。

たしかにあのときノブは、優の「可能性」の中に登場した。その事実は永遠に消えぬだろう。目が覚めて一人になった優は、昔の一人だったころの優とは違う。

一人じゃどうしていいかわからなかった優が、「今日はどこへ行こう」と歩み出せたのは、ノブと共に在るからだ。きっと、向こう側にだって行ける。

 
f:id:pa39krytmy:20170801180550j:image

 

 

主役以外も非常にキャラが立っていたので、ノ☆ビューン以外にも魅力的なコンビが多々ある。特に好きなのは、辻井水貴と堂本千百合。厭世的で人と関わりたがらない、しかしどこかで寂しがっているひねくれ者の水貴に、堂本さんがしつこくくっついているさまは微笑ましい。

生徒会長の青池和磨や、不良の紅島も好きなキャラクターである。会長の最期は本当につらくて涙が止まらなかった。

 

そういう好きなキャラクターや、好きなコンビが、終演後の挨拶で一斉に登場する。ノ☆ビューンが最後にキメのポーズを披露して屋上の扉から退場して行くのを見て、これは舞台でしか味わえぬ瞬間だなと思った。しあわせとせつなさと入り混じった感情で送り出した。

 

f:id:pa39krytmy:20170801180632j:image

 

 

 

小林秀雄は「毎日新しく幕があく。役者はその日その日の出來不出來で、氣心の知れぬ見物と協力して、まことに不安定な、脆弱な、動き易く、變り易い、又それ故に生きてゐる世界を創り出す。芝居は其處にしかない」と言っていた。いい芝居が観られた。

 

すーちゃんが最後の挨拶で「これからもお芝居に関わっていきたい」と言っていたのがとても嬉しかった。その夜のブログで「すみれはお芝居が大好き」と書いていたのも。

またの機会が楽しみである。そして、今回共演した皆ともまた会えるといい。お互い、パンフレットに書いた夢を叶えて。

 

6/23 わーすた定期ライブ わーすたランド わ-6

 

一抹の不安を抱えていた。

4月22日のフルバンドの興奮が、音楽的高翔が、瞬間の無限が、あの日以来の国内単独ライブである わ-6 に翳りを与えていた。

 

開演前、私は緊張による吐き気と戦っていた。しかしこの日はそれが心地よかった。意識のどこか深いところで私は、これから始まるライブにドキドキしている。それが実感できたからだ。

 


今回の会場である新宿ReNYは7、800人は入ると聞いていたが、その実500人ほどが限界かと思われる広さだった。

B200番台後半で入場、上手最後方に位置づける。円形の変わったつくりになっていて、どこからでも見やすそうなのは好印象だった。

 

坂元葉月のブログからセットリストを引用する。

 

【1部】
Overture
スイカ割り(奈々聖生誕💚)
いぬねこ。青春真っ盛り
完全なるアイドル
ーーーMCーーー
Magical Word
好きな人とか居ますか
ーーーVTRーーー
NEWにゃーくにゃくにゃ水族館2
らんらん・時代
Zili Zili Love
Stay with me baby(新振り付け)
ーーーMCーーー
ゆうめいに、にゃりたい。
Just be yourself
うるとらみらくるくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ
ワンダフル・ワールド
ーーーENCOREーーー
恋するにゃこたん~フリもフラれもあなたのまま~(新曲)
ーーーMCーーー
いぬねこ。青春真っ盛り

わーすた 公式ブログ - 坂元葉月*わのろく*799 - Powered by LINE

 

一曲目『スイカ割り』、廣川奈々聖の生誕企画により一面が緑色に染まる。

出だしから感涙し、まともに歌えないなっちゅんへの愛おしさが途端に胸中を占め、不安は居場所を無くしていた。

 

f:id:pa39krytmy:20170627221851j:plain

 

 

それからはひっきりなしに、楽しさや嬉しさ、驚きや感動、誰々への愛おしさが席を取り合い、余念の入る隙は毫もなかった。

なにを不安に思っていたのか、これがわーすたのライブだ。あのフルバンドライブを演りきったからといって、火が消えるような子たちではあるまい。

 

 

そう実感できた、そんな1部が『好きな人とか居ますか』を始め、『らんらん・時代』や『Zili Zili Love』など聴かせる曲で構成されていた点もよかった。


いつも聴き入ってしまう『好きな人とか居ますか』、フルバンドライブで生音と本気でぶつかり合い成長した三品瑠香の歌声が素晴らしかった。

それを支えるなっちゅんも忘れてはいけない。負けず劣らぬ歌声で均整を保っているからこそ、あの二人のメインボーカルが成立するのである。

彼女のメンバーカラーの「緑」と属性である「木」が思い浮かぶ。なっちゅんという「自然」の広大さをまたも思い知る。

 

f:id:pa39krytmy:20170627222506j:plain

 

 

『Zili Zili Love』は最近、はーちんに注目している。感情表現にこだわっていて、特にこの曲は難しいのだと雑誌Marqueeのインタビューで答えていた。

「あれ?はーちんブチキレてる?」と思ってしまうくらい力が入りすぎているときもあるのだが、この日は余裕のある表情で踊れていた。

つまりはダンスにも余裕が出てきたということだ。見ていて危ういと思う部分も無くなってきた。

 

嬉しくて心がぽかぽかしているタイミングでの『Stay with me baby』はズルい。本当に良い曲で、すっかり大好きになってしまった。

映像でしか見たことのない人も、ぜひ生で観て聴いて感じて、心摑まれてほしい曲だ。

パフォーマンスメンバー(小玉・坂元・松田)のダンスにも要注目。

 


中盤は聴かせ、終盤に盛り上げていく。本編ラストは『ワンダフル・ワールド』で駆け抜ける。

ちなみにこの曲の最後、瑠香とはーちんが見つめ合うところは、初めの振りでは全員が前を向いて終わることになっていて、しかし瑠香の体勢的に横を向く方が楽というので向かい合うことになったのだそうだ。翌日のバスツアーではーちんから聞いた。

 

 

アンコール明けには待ちに待った新曲。

『恋するにゃこたん〜フリもフラれもあなたのまま〜』は、ノリのいい、だけでなく胸がキュンとする、ロックンロールカワイイ曲になっている。

開放感あふれる野外で聴けたなら最高だろう。夏フェスをこの曲と共に駆け抜けるのが今から楽しみだ。

Bメロ松田美里のパートがお気に入りだが、それ以上に2番サビ前の「どうする?!」が好き。フェスで盛り上がりに任せ、声裏返るほどハジけてほしい。

 

 

アンコールラストは二回目の『いぬねこ。青春真っ盛り』

自由度の高いアンコールバージョンもこれはこれで好きだが、代表曲を二回持ってくるこの流れもそろそろ飽きてきたというのが率直な感想。

 

f:id:pa39krytmy:20170627222433j:plain

 

 

【2部】
Overture
グーチョキパンツの正義さん。
Just be yourself
いぬねこ。青春真っ盛り
ーーーMCーーー
Doki Doki♡today
にこにこハンブンコ
ーーーVTRーーー
うるとらみらくるくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ
完全なるアイドル
Magical Word
約束だから
ーーーMCーーー
恋するにゃこたん~フリもフラれもあなたのまま~(新曲)
ねぇ愛してみて(新振り付け)
ワンダフル・ワールド
ちいさな ちいさな
ーーーENCOREーーー
NEWにゃーくにゃくにゃ水族館2
うるとらみらくるくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ

 


2部は『グーチョキパンツの正義さん』でいきなり攻めていく。

これもバスツアーで聞いた話だが、この曲には最初『くるくるパー(表記不明)』という仮タイトルが付いていたが、放送コードにひっかかるためボツになったと。

ちなみに『完全なるアイドル』は『はらわたキャッチボール』…

メジャーデビューシングルが恐怖の血みどろスプラッターになるところだった、危ねえ、

 

 

閑話休題
中盤、大好きな『Doki Doki♡today』からの『にこにこハンブンコ』で最高潮。

この日の小玉梨々華の落ちサビがめちゃくちゃ良くて、危うく泣きかけた。毎回ここは傾聴している。りりかの歌声の成長、楽しみだなあ。

 

 

VTRから『うるチョコ』、『完全なるアイドル』、『Magical Word』と来て『約束だから』で終盤へ。

 

新曲からの『ねぇ愛してみて』の流れ、新しいわーすたをまた感じられた。

この曲はフルバンドライブで披露して以来だったが、あの時はアコースティックだったのでその印象がどうしても強く、始終違和感を拭えなかった。またじっくりと聴いてみたい。

 

f:id:pa39krytmy:20170627222334j:plain

 

 

本編ラストは『ちいさな ちいさな』

手を繋いだ両隣は知り合いだったのだが、私がわーすたに通い始めた頃には、まさかこうやって東京まで行って共に定期公演を観るなんて想像してなかったので、そういう思いが溢れてきて危うかった。相変わらず良い曲だな、ちくしょう。

 

 

アンコール明けには『NEWにゃーくにゃくにゃ水族館2』
そして最後に二回目の『うるチョコ』で終演。

 

エンディングのメンバー挨拶では締めの坂元葉月が熱狂的大盛り上がりの中「わーすたもわしゃわしゃ…」的な謎のMCで最高のステージクリアへ導いてくれた。あれ何て言ってたの?

 

 

最後、「私たちの夢を見させてくれるのは皆さん」だと、目に涙を浮かべながらはけて行ったなっちゅんの顔が忘れられない。

不安も何もかも吹き飛んで、最高に楽しむことができた僕らを見て、そう言ってくれたのだろうか。僕たちも気持ちは同じだ。

 

それを見失っていた自分に憤りつつも、この日のライブに感謝した。りりかの言う、「愛にあふれる」ライブ。定期公演。

 

f:id:pa39krytmy:20170627222255j:plain

 

次なるステージは夏の終わり、昨年わ-3のように、夏フェスの成果が存分に表れるような定期公演になればと願う。

 

廣川奈々聖と万物照応

 

古典の作者の幸福なる所以は兎に角彼等の死んでゐることである。

我我の──或は諸君の幸福なる所以も兎に角彼等の死んでゐることである。

 

 

芥川龍之介侏儒の言葉』から引いた。この小論に取り掛かる上で、私はこれを痛感する。文字盤を叩けば叩くほど、彼女の玻璃性の繊細なる心像に罅が入っていくのではないか。そんな不安に苛まれながらも、私は書く。侏儒なる私の憧憬を、親しげなる眼差しもて見送ってくれる廣大さ、これを彼女の裡に證明できるものと同時に信ずるから。

 

 

四月二十二日以降、私が憑り付かれている Correspondances という概念。発端は、フルバンドライブの転換で流れた、わーすた五人がそれぞれの担当カラーに応じた性質の五大陸を旅していくという映像。振付の高田あゆみさんが書いていた解説で、廣川奈々聖のグリーンが「木」であると知り、途端にわが脳髄はこの詩に支配された。

 

 

照應(コレスポンダンス)

 

自然は神の御社にして、その生ある柱は

時折り朧ろの言葉を洩らす。

人、象徴の森を經てそこを過ぎゆき、

森、親しげなる眼差しもて人を見送る。

 

暗く深き統一の中に遠方より

混り合ふ長き反響のごとく、

夜のごとく光のごとく茫漠として、

馨と色とまた音は相呼び相應ふ。

 

幼兒の肌のごとく爽やかに、木笛のごとく

和やかに、牧場のごとく緑なる、馨あり。

──また、饐ゑたる、豊かなる、誇りかなる馨は、

 

龍涎、麝香、安息香、燻香のごとく、

限りなきものの姿にひろがりゆき、

精神と官能の悦びの極みを歌ふ。 (村上菊一郎訳)

 

 

La Nature est un temple où de vivants piliers
Laissent parfois sortir de confuses paroles ;
L'homme y passe à travers des forêts de symboles
Qui l'observent avec des regards familiers.

 

Comme de longs échos qui de loin se confondent
Dans une ténébreuse et profonde unité,
Vaste comme la nuit et comme la clarté,
Les parfums, les couleurs et les sons se répondent.

 

II est des parfums frais comme des chairs d'enfants,
Doux comme les hautbois, verts comme les prairies,
- Et d'autres, corrompus, riches et triomphants,

 

Ayant l'expansion des choses infinies,
Comme l'ambre, le musc, le benjoin et l'encens,
Qui chantent les transports de l'esprit et des sens.

 

小林秀雄が「『惡の華』一巻は數年來、つまり僕の若年の決定的一時期を殆ど支配してゐた」と書いたように、青い私もボードレールの詠じたこの病める花々に魅了されている。まだほとんどの詩は解せず、この詩もそのひとつだったが。

 

なっちゅん と La Nature(ナチュール)、こんなくだらない類似にも欣喜雀躍してしまう程に、この詩とあの子が繋がった。なっちゅんは「自然」なのだ。

 

見落としてはならない点がある。彼は、そして彼女は、この自然の寵児たること、つまり天才であることを欲しただろうか。

辞書を狂ったように引き、幾度も推敲を重ね、完璧を求めたボードレールと、誰よりも忠実に踊りたい気持ちから、角度まで教わった通り覚えてくる廣川奈々聖。答えは自明である。

浪漫派藝術、ワグナー論にて彼は語る。「私はただ本能にのみ導かれる詩人達を憐れむ。私は彼等を不完全と信ずるのだ。大詩人の精神生活の中には、一危機が必至であり、彼等は己が藝術を推理し、自分が則して制作したその隠微な法則を發見し、その研究から、詩的制作に於ける無謬性を神聖な目的とする一聯の戒律を抽出せんと欲するのである」

 

音楽でも絵画でも文学でも、それは自然発生的な産物ではない。藝術には「人」が要るのだ。すぐれた批評家たる「人」が。

「自然」としてのなっちゅんを「人」としての廣川奈々聖が厳しく批評している。「暗く深き統一の中に遠方より混り合ふ長き反響」は其処より来る。

 

 

私は廣川奈々聖の歌声が好きだ。

不用意に触れたならたちまち壊れてしまいそうなあの繊細さ、ふわっと柔らかな布をかけてくれるがごとき優しさ、微醺を誘う怪しげな馨り、時間を超える煌びやかな光。聴覚が、触覚が、嗅覚が、視覚が交感し、まさに「限りないものの姿にひろがりゆき、精神(l'esprit)と官能(des sens)の悦びの極みを歌ふ」

彼女の歌声こそが、私を高翔させる。──人生の上を飛びめぐり、花や聲なき萬象の 言葉をいとも易々と解し得る身は幸ひなるかな!

 

 

誰が彼女の未来の歌声を想像出来よう。それは感覚の「照応」を知り得ぬ者、彼女の「詩情」を知り得ぬ者、ああ、羨ましくも「無限」を知り得ぬ者だ。

限りなきもの。寄り添うもの。未知なるもの。それが高翔でなく、堕落だろうとも構わない。美しきもの。汝いづこより来たるや。何処でもいい。私はあの馨を求めている。

 

「刹那が各人の秘密を抱いて永遠なる所以」… また少し摑めた気がする。否、死ぬまで解らないかも知れない。

 

4/22 わーすた「The World Standard ~夢があるからついてきてね~」

 

周りの睡眠を妨げぬよう声を殺すも、ピカチュウのうたで耐えきれず大笑いしてしまった「あにそん。青春真っ盛り」高速バス会場を経て、夕方には東京着。小雨に急かされながらお台場へ。

 

ずっと楽しみにしていた4月22日、前夜眠れるはずもなく、体調不良ここに極まる。概して特別な現場とはそういうものである。雨も強まり、流されるがごとく地下へ。

 

 

Zepp DiverCity Tokyo、収容人数2000人超。これまでのわーすたワンマンで最大規模となる会場、そしてフルバンドを擁してのライブ。

 

初めての試みだらけのこの日に向けて、三品瑠香は前日に「明日はもう明日しかないし、踊る一歩も歌う一言も1秒1秒全部そこしかないんだから、絶対逃しちゃだめだよ」「どの瞬間もしっかり目に焼き付けて全身で感じてほしい」と書いていた。

近い言葉で「本番は一回しかないからね。一回で全部出しきるからね。わーすたは本気です。わーすたのスタッフさんも本気です。だからみんなも本気で観に来てね」と書いていたのは小玉梨々華。開演直前、そんな二人の言葉を思い返して気持ちを引き締めた。

 

 

f:id:pa39krytmy:20170425013332j:plain

 

 

オープニングムービーが流れ、バンドを伴ったOvertureが会場を沸かせたとき、パッと思い浮かんだのは、「秒針もクルリ回るけど 神様も知らない瞬間」の一節。そして幕が上がり、“イマ”のわーすたが最高の笑顔で飛び出した瞬間、そういうライブになるのだと確信した。

 

 

Overture
いぬねこ。青春真っ盛り
完全なるアイドル
グーチョキパンツの正義さん
ゆうめいに、にゃりたい。
ーーーMCーーー
Doki Doki♡today
にこにこハンブンコ※みり・りりか・はづき
ぱわわわわん!!!パワーパフガールズ
NEWにゃーくにゃくにゃ水族館2
Magical Word
ねぇ愛してみて
らんらん・時代
Zili Zili Love
好きな人とか居ますか※ななせ・るか
Just be yourself
ワンダフル・ワールド
うるとらみらくるくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ
ーーーENCOREーーー
Stay with me baby
ちいさな ちいさな
ーーーMCーーー
約束だから

 わーすた 公式ブログ - 坂元葉月*ありがとう*737 - Powered by LINE

 

代表曲『いぬねこ。青春真っ盛り』から始まり、『完全なるアイドル』、『グーチョキパンツの正義さん』と序盤から飛ばしていく。

高揚していたのもあり、わけもわからないほど盛り上がる。『完全なるアイドル』サビのボーカルの衝動的な乱れ、ああ生バンドライブの醍醐味だ。最高。

渾身で勝負挑んでいく瑠香の気合い入りまくった歌声に圧倒される。なるほど、「音を実体化して攻撃する、わーすた最強の戦士」とは確かだ。

 

 

f:id:pa39krytmy:20170425013306j:plain

 

 

サーフボードで冒険するRPG風の映像を挟んで『ゆうめいに、にゃりたい。』へ。

生音と合わせるのは難しそうな曲だけに、綿密なるリハの成果が見えた印象。

 

自己紹介MCを挟んで『Doki Doki♡today』、バンドで演ったらそりゃ最高の『にこにこハンブンコ』を経て再び映像へ。その間、スタンバイする人影に、見覚えのあるネコミミヘッドフォン…

 

今回のライブ、絶対どこかで出てきてくれると思っていた、音楽プロデューサー鈴木まなかの登場に、待ってましたと沸き立つ場内。

『ぱわわわわん!!!パワーパフガールズ』と『NEWにゃーくにゃくにゃ水族館2』、『Magical Word』の3曲を、後ろでDJしながら見守るまなかさん。やっぱりこの構図が大好きで、『Doki Doki♡today』もこのブロックで見たかったなと少し思った。

 

 

f:id:pa39krytmy:20170425023511j:plain

 

 

次の転換では再びバンドメンバーが。セッティングを眺めていると、アップライトベースが見えて大興奮。ということはあの曲か、それともあれか、いやあれだろう、なんて考えているところにメンバーが登場、「新曲です」という予期せぬ曲フリに驚かされた。

 

 

新曲『ねぇ愛してみて』は、未来の家族への愛の歌。「奇跡」と呼ぶべき幾重もの巡り合わせを、5人のハーモニーが優しく表している。

鈴木まなかの描く家族の歌は温かい。それは『いまはむかし』でおじいちゃんが教えてくれた、生きる事の美しさ、人生の儚さが包み込まれているからだ。

おじいちゃんがつぶやいた、そしてぼくが伝えられず、時が経ち愛する人に伝えている「ありがとう、ありがとう」という想いを、新曲のぼくは未来の家族へ伝えている。

「もしももしも 年老いても大好きだよ キミとぼくが おんなじ人生歩んだ奇跡」これこそが、儚き人生の中の美しさ、家族という存在である。これもまた、わーすたにとって大切な曲となるだろう。この特別な日に素敵な新曲が聴けて、本当に幸せだった。

 

 

そこからの『らんらん・時代』、『Zili Zili Love』、『好きな人とか居ますか』は、転換時に予想していた3曲。

中でも『Zili Zili Love』のアレンジがたまらない。ゆったりと微醺を誘うようなまどろみのなかに、艶めかしく馨る廣川奈々聖のボーカル、気絶しそうなくらい良かった。

 

『好きな人とか居ますか』は、何かを手繰り寄せながら近づくもすれ違う二人、重ねる手と手が最後には届かないなどというフリが印象的な曲だが、今回は歌のみで総てを表現する。だからかそれだけ感情も込められていた。誰かの心を動かせるのは、こういう歌声である。

 

 

f:id:pa39krytmy:20170425151639j:plain

 

 

このライブを通してまた一段と成長していく姿を見つめているうち、早くも終盤に差し掛かろうとしていた。

転換の映像では、毎回ひとりずつ増えていった冒険の仲間がついに5人揃い、サーフボードは最後の大陸へ向かおうとしていた。そこは煌々と光が溢れるところ。わーすたが辿り着いて、流れたのは『Just be yourself』のイントロ。

 

 

いまでも目に焼き付いて離れない、会場全体を照らしたあの眩い光。時の流れから抜け出した、「神様も知らない瞬間」

 

どれだけ最高の景色でも
記憶が全く色あせないことはないと思うから

 

 

でもたくさんの人の記憶の中に
昨日のこの瞬間が残っていたら

ずーっと色褪せることはないのか、な🐰🌹

わーすた 公式ブログ - 743♩廣川奈々聖 「ずっと好きでいさせてね🐰」 - Powered by LINE

 

私は以前『Just be yourself』雑感の記事に、「わーすたが『時間』を超えられるかもしれないアイドルである可能性を顕現してくれた重要な曲」だと書いた。歌詞に感動するあまり大仰に書いてしまった感もあったが、あの刹那を刻み込んだ現在の私なら確信をもって言える。わーすたは時間を超えられる。

 

f:id:pa39krytmy:20170425165307j:plain

 

 

『ワンダフル・ワールド』と『うるとらみらくるくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ』で盛り上げ本編を締めくくり、メンバーがステージを後にする。

まだ披露されていないあの2曲を思い浮かべ、堰き止められない思いを声にして、全力でわーすたを呼ぶ。

 

 

隠しステージ。そこに立ったメンバーからは聞き慣れぬ曲名が。『Stay with me baby』これも新曲だ。

率直な感想を言うと、この曲はこの会場に合っていない気がした。もっともっと大きな会場でこそ映える曲だと。そういう曲を、あえてこのタイミングで持ってきてくれたこと。小さすぎるこの会場で見せてくれたこと。未来のわーすたの歌だ、と思った。

「あたしと出会ってくれて ありがとう」が本当に美しく響くとき。それを想像して泣いた。

 

『ちいさな ちいさな』は、とても幸せな気持ちで観られた。なっちゅんが昔、「その時のものすべてが表れる曲」だと書いていたが、私がちゃんと受け取れているなら、メンバーもこんな気持ちで歌っていたのではないかと思う。とても温かい時間だった。

 

 

そのまま最後のMCへ。それぞれがこの日のこと、この日までのことを振り返る。

「楽しいライブができて、わーすたのこれからとこれまでのなかで、すごい大事な日に、忘れられない日になった」と瑠香。

「楽しい」というのは、続く坂元葉月も印象的に語っている。「最初から今まで、楽しくなかったことありますか?」と問いかけ、「全曲楽しかった」と振り返る。「すごく楽しかったから、この“イマ”を迎えられて嬉しい」と。

隣で聞きながら、先ほどは見せなかった涙を拭っていた瑠香に愛しさを覚える。

 

「この景色がずっと見たくて」と感涙するなっちゅん、「最高のライブにすると自信を持って言っていたけど、裏では… たくさん悩んだし、たくさん不安なこともあって、メンバーで泣いたこともあって」と途切れ途切れに伝えてくれた梨々華。

このあたりのMCはこちらもボロ泣き状態で、続く松田美里が「ここを踏み台にして」なんてとんちんかんなことを言ってくれなければ崩れ落ちてたと思う。

 

みりてこが何を言いたかったのか。「ここが最後じゃない」ということ。

「わーすたには、このタイトルの通り『夢』がありますし、ファンの方にはずっとこれからもついてきてほしい」

 

余韻に浸るまもなく
これからも私たちは
やるべき事があります


夢がありますから(≡^.^≡)

 

 


ついてきてくれる
ファンの方もおるけん🌅♥

 

 


止まらず、アイドルの道から逸れず
まじめにずっと頑張ります。

 

約束だから(≡^.^≡)

 わーすた 公式ブログ - みりてこ、挑戦 - Powered by LINE

 

秋の全国ツアーが決まり、フランス・パリで開催されるJAPAN EXPO2017にミュージックゲストとして出演することも決まった。

ここが終わりじゃない。こんなところで終わるわけがない。わーすたはまだまだ夢に向かって走り続ける。

 

今まで生きてきて

1日のためにみんなでたくさん悩んで
1日のことをこんなにたくさん考えたこと

なかったな〜

 

f:id:pa39krytmy:20170426152908j:plain

この瞬間に戻りたい…

 

 

でも、戻れないからこそ
儚くて 愛しくて 切なくて 綺麗なんだね🐰

 


「約束だから」にそんな歌詞があったけど
昨日それがよく分かった気がする(>_>)、♪

わーすた 公式ブログ - 742♩廣川奈々聖 「夢があるからついてきてね」🎪✨ - Powered by LINE

 

もう戻ることのできない、儚くて、愛しくて、切なくて、綺麗な瞬間を抱きしめて、未知なる明日へ。

「君と約束の小指、忘れない」

 

 

f:id:pa39krytmy:20170426165032j:plain

 

 

文句なしに最高のライブだった。あまりにも最高だったので、文章にするのがとても難しかった。本来なら言葉にならない思いを、どうにか書き表したにすぎない。

どんな文章も映像も、決してあの瞬間を残すことはできない。だから、今回行かずに後悔している人は、またの機会には絶対に観に来てほしい。

必ずまたの機会がある。また最高の瞬間を見せてくれるはずだから。

 

3/29 わーすた定期ライブ わーすたランド わ-5

渋谷で財布を紛失してもうダメかと思ったが、なんとか生きて関西に帰ることができたので、3月29日(水)渋谷WWW Xにて行われた わーすた定期ライブ わーすたランド わ-5 について振り返りたい。

 

 

今回はただの定期ライブではなく、わーすたが産まれて二歳という記念日に開催される特別な公演だった。

 

そんなわのご、1部は一桁番台で観られる幸運に恵まれた。なお撮影技術には恵まれなかった私は、白飛びしすぎて霊魂ではと疑ってしまうような写真を2、3枚撮ってのち、やはりこの目に収めるようにと集中し直した。慣れぬことはせんが良い。

 

では例のごとく坂元葉月のブログからセットリストを引用する。

 

*1部*
Overture
Doki Doki♡today
NEWにゃーくにゃくにゃ水族館2
らんらん・時代
ーーーMCーーー
グーチョキパンツの正義さん。
ぱわわわわん!!!パワーパフ ガールズ
いぬねこ。青春真っ盛り
ーーー映像ーーー
Just be yourself
ーーー企画(葉月と瑠香)ーーー
ゆうめいに、にゃりたい。
完全なるアイドル
Zili Zili Love
ーーーMCーーー
ちいさな ちいさな
約束だから
うるとらみらくるくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ

ーーーENCOREーーー
Magical Word(新曲)
ーーMCーー
ワンダフル・ワールド

 わーすた 公式ブログ - 坂元葉月*2周年*713 - Powered by LINE

 

 

初期の衣装に身を包んだ彼女たちが、表れて途端にパフォーマンスする『Doki Doki today』には、当時を知らぬ私をして心を顫わしめる「色」があった。

それはとても淡く、三品瑠香の生誕企画でピンクに染まった会場を包み込み、春の桜を思わせた。
季節は一巡りし、また次の春へ。わーすた三年目の始まりを噛み締めた。

 

 

 

中盤、わーすた二年目の活動を振り返る映像が、メンバーの衣装替えの間流れる。

わーすたが全力で愛してきた「イマ」たち。そんな時間の宝石箱は、彼女らの走り抜けてきたが如くあっという間に過ぎて、あの曲のイントロと共に「イマ」のわーすたが、ステージへと踏み出す。

 

『Just be yourself』この曲を生で観て聴いて感じたい、というのが、今回の大きな楽しみのひとつだった。

ここで歌われる「夢」や「時間」は、わーすたに無関係ではないが、わーすただけに限られたものでもない。つまりわーすたを含む何ぴとにも共通するものである。

もっと言うと、子供に向けて歌われたものであるが、同時に子供だったころの大人たちにも歌われている。その意味で万人共通である。

だからこそ純に受け取らなければならない。「わーすたの物語性」のみを感じ取るのは大人の感性であって、それ含む総ての「夢」や「時間」を感じられてこそ、この曲の美は開かれる。

 

廣川奈々聖が「今までの曲と比べて 一見 いちばん単純な曲にみえるのに 今までの曲の中で 言葉で説明するのがいちばん難しい曲」とブログに書いていたが、それだから「自然と思いを込めたくなる曲」であり、「この曲の良さって無限大かもしれない」と理解して歌ってくれているのは幸せなことである。

その思いの強さ、美しさ、温かさに、涙を流さず居られない、最高のひとときだった。

 

 

 

そこからのセットリストは、時間の魔法によって2nd『ゆうめいに、にゃりたい。』、1st『完全なるアイドル』、デビューアルバムから『Zili Zili Love』と逆行していく。

ついに時間は、わーすたとして一番初めに披露した曲『ちいさな ちいさな』まで遡った。

 

 

直前のMCで松田美里のこのツイートについて触れ、三品瑠香が「最近はじめましてした方、ちょっと前から、昔から応援してくれているファンの方、みんなが集まって、時間が経って、日々わーすたとしてやっていけてる。みんなのおかげなんですよ」と言っていた。

この日の『ちいさな ちいさな』にはそんな思いも歌われていた。「私が産まれた奇跡に 今、ありがとうと歌います」そして、「夢を叶えるために 私は頑張ります」と。

 

時間はまたひとつ遡る。

『約束だから』この曲が歌っているのは、結成以前それぞれの青春の日々の追憶である。5人はあの日に帰り、そして「君と約束の小指」を見つめる。このとき、わーすたの時間旅行は、未来へと繋がる。

 

f:id:pa39krytmy:20170402172357j:image

 

 

本編充実のセットリストで満足気味、あとやってない曲はあれか、アンコール声出して気持ちよく終わるぞ、なんて勝手に予想していたのだが、ここでまさかの新曲。

『Magical Word』、あいさつの魔法でお友達、とそれぞれが学んでいる外国語で歌っている。広い世界に出て、新しく出会い、進んで行くということを感じさせる曲だった。まだそこまで聴き込めてはいないが、「不思議な箱あけてみる」や「右足ちょい踏み込むと」など『Just be yourself』との聯関を思わせる歌詞も興味深い。

 

 


f:id:pa39krytmy:20170402175032j:image

 

*2部*
Overture
うるとらみらくるくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ
ゆうめいに、にゃりたい。
ワンダフル・ワールド
ーーーMCーーー
Doki Doki♡today
好きな人とか居ますか(瑠香・奈々聖)
らんらん・時代
ーーー映像ーーー
Magical Word(新曲)
ーーーMCーーー
にこにこハンブンコ(美里・梨々華・葉月)
グーチョキパンツの正義さん。
NEWにゃーくにゃくにゃ水族館2
いぬねこ。青春真っ盛り
約束だから
ーーーMCーーー
ちいさな ちいさな
Just be yourself

ーーーENCOREーーー
いぬねこ。青春真っ盛り

 

2部はメジャーデビュー時の衣装で登場。これは衣装&ヴィジュアルプロデュースの木村優が、わーすたのキャラクター設定を事細かに考えてくれて出来上がった衣装で、私は「ライブはみんなを笑顔にする魔法」というのを発端としたこの魔法少女設定が非常に気に入っている。

 

 

新参の私にも馴染みの深い衣装。そして中盤、二年目を振り返る映像(後半)も見覚えのあるイベントとなり、だんだんと現在に近づいてゆく。

いま一番新しい衣装に着替え、いま一番新しい曲を披露する。

 

 

『Magical Word』からの数曲は夢中に過ぎ、ライブは早くも終盤。

ここでの『約束だから』、過去より歌われた1部とは少し変わってくる。三島由紀夫は「追憶は『現在』のもつとも清純な證」だと言った。5人はこのあまりにも清純すぎる感情を抱きながら、いま現在の彼女たちとして、あの日の「約束」について歌い上げた。パフォーマンス後のMCでメンバーが感極まっていたのもそのためだろう。

 

 

そんなMCに続く、リーダー廣川は涙で曲フリが上手くいかず、小玉梨々華が思わず「次の曲いやだよ、泣いちゃうもん」と漏らした『ちいさな ちいさな』、わーすたの二年間がぎゅっと詰まっていた。

 

「二年前はただ目の前のライブを必死にやって、いまわーすたってグループでライブして楽しいなみたいな感覚だったけど、二年経ってワンマンでこういう景色を見ると、もっとみんなと色んな会場行きたいなとか、もっとみんなに喜んでもらえることしたいなとか、すごい将来のこと考えるようになった」と梨々華の言っていた通り、

「感謝の気持ちが前より大きくなって、具体的に『ありがとう』って気持ちを込めて言えるようになった」とみりてこの言っていた通り、

この日の『ちいさな ちいさな』は歩んできた二年間があったからこそ歌えるようになった、そんな「ありがとう」が込もっていた。

 

2年の間に出会えた方はたくさんいてありがとうたくさん伝えたいんだ

わーすたになって、いろんな事に自分達もたくさん関わるようになって考えるようになって、そうしたらわーしっぷさん達からの気持ちがすごく近く感じられるようになったの
だから、みんなへのありがとうの気持ちが大きいです

^ - ^

 

みんながいるからこんなに楽しいと思えるライブが出来るし、みんながいるから今のわーすたがあるよ

 

いつも幸せな気持ちにさせてくれるわーしっぷさんありがとう

わーすたに2周年を迎えさせてくれてありがとう^ - ^


これからもわーすたからみんなにたくさんのものをお届けしたいです3年目もよろしくね

 わーすた 公式ブログ - 三品瑠香【2周年でした】715 - Powered by LINE

 

 

アンコール明けのMCでなっちゅんが「はーちんは全然普段しゃべらないの、自分から」と感想を尋ねたとき、はーちんが答えた「相思相愛」そのままの温かいライブだった。

楽しかった、というより、幸せだったと思い返したい、素敵な時間をありがとう。

 


f:id:pa39krytmy:20170402171829j:image

 

プードルを上げてしまうかもしれないけど、わーすたが次に見据える4月22日、間違いなく最高のライブになる。でなければ最後『ちいさな ちいさな』のあとに『Just be yourself』なんて持って来られるはずがない。

もう戻ってこない財布の痛手を打ち消すほどな希望を胸に、月末へ生きる。