山田雄司『跋扈する怨霊―祟りと鎮魂の日本史』
怨霊だとか心霊だとか気になる季節。
最近ではお昼に『世にも奇妙な物語』や『ほんとにあった怖い話』の傑作選(関西テレビ)も放送されていて、怖がりながらもついつい見てしまう。
夜の京都の怖そうなとこ巡りもした。自然と早歩きになる。あと、地元の人は普通にランニングとかしてた。頭おかしいんじゃないかなと思った。
『跋扈する怨霊―祟りと鎮魂の日本史』ということで、怨霊についての本。
非業の死を遂げ、祟りや災いを起こした怨霊は、為政者により丁寧に祀られた。
虚実とりまぜて論じられがちな怨霊の創出と鎮魂の実態を実際の史料に基づいて辿り、怨霊を時代の中に位置づける。
歴史に疎い僕の知らない人物もバンバン登場した(長屋王とか知らなかった…)けど、かなりおもしろく読めた。
平城京から(→長岡京→)平安京への遷都、早良親王の話が興味深かった。
「怨霊と幽霊」に関しての話も、能とか世阿弥とか難しい話になっていくけど、本来は「死者のたましひ」という意味でしかなかった「幽霊」という用語が、いかにして今日で思われるような怖い存在になったか、なんとなく呑み込めた。