難聴亭日乗

つれづれなるままに その日ぐらし

10/29 ひめキュンフルーツ缶"2010-2017"卒業~今までも、これからも~

 

10月29日、愛媛行のバスで、急に実感が湧いてきた。私の知るひめキュンフルーツ缶は、今日卒業のラストライブを迎える。それを見届けるために、数年ぶりに愛媛に向かっているんだ、と。

 

大街道のバス停に着いた頃には、台風は過ぎていた。もしものことを考えてかなり早めの便で行っていたので、余った時間で商店街をふらふら歩く。大街道にも銀天街にも、思い出がたくさんある。

松山市駅まで辿り着いたところで、会場の方へ戻りたくなくなってしまった。それでも開場の時間が近づいて来ていたので、ゆっくりと向かう。一歩ずつ、一歩ずつひめキュンの卒業へ進んでいくのが悲しくて、涙を止められなかった。

 

 

松山サロンキティに着いた頃には、番号順の整列が始まっていた。280番台だった私は一番最後だろうと思っていたのだが、列は裏の公園の奥まで続いていて、どうやら300番台後半まで並んでいるようだった。

350人超も本当に入るのか、と心配しながら入場。私の番号の時点で、出入口付近まで人が詰まっている。この状態ではこれ以上入らないので、前方ブロックをもっと詰めさせてスペースを空ける。その流れに乗ってそこそこ前の方まで行けてしまったが、身動きもままならぬ死のゾーン。開演まで、苦しい、しんどい、座りたい以外の感情を失う。

 

聴き慣れたSEが負の感情を吹き飛ばす。これが明けて、一曲目に何が来るかもわかっていた。

『アンダンテ』2013年のメジャーデビューシングル。

リリースイベントや定期公演で何度も遠征して、土曜夜市やひめキュンショップでのライブ、愛媛日産、宇和島バスツアー、どこかの山奥の運動公園の夏祭り、そして東京のひめキュン祭。一番夢中で通っていた13年夏の思い出がぶわっと蘇ってきて、ここでもういきなり泣いてしまった。

 

 

ひめキュン卒業ライブ セットリスト

1.アンダンテ

2.それ冗談!これ本気!!

3.ワタシダイイチキボウ

4.ガールズドントクライ

5.ぐるぐる

6.iの奇蹟

7.恋のプリズン

8.Seize the days!

9.果てしなき旅

10.恋愛エネルギー保存の法則

11.フリーノート

12.伊予魂乙女節

13.絶望よ!こんにちは

14.モノクロビタミン

15.デッドギミック

16.飛びかうフール

17.モラトリアム

18.絶望アロー

19.8分の1のブレス

20.TEAR DROPS

21.ミスターA

22.ハルカナタ

23.恋が止まらない

24.キラーチューン

25.You stay dream

 

EN1.ネバーエバー

EN2.青の少年

EN3.例えばのモンスター

 

WEN1.卒業の日(with 河野穂乃花)

WEN2.ひめキュン参上!(with 新生ひめキュン)

 

 

卒業が決まってからの最後のツアーには、7月末の神戸太陽と虎に行った。過去のツアーや、四星球とのツーマンなど、楽しく苦しい(?)色々と思い出深い会場だ。2年、いやもっとぶりだろうか、久しぶりにひめキュンのワンマンを観に行って、このとき危うく倒れかけた。絶望的に体力が落ちていた。

この日のサロンキティはほとんど身動きが取れなかったため、太陽と虎のときほど飛んだり跳ねたりで体力は使わなかったが、とにかく立っているだけで辛い密集具合。

 

そんな状況でも『ワタシダイイチキボウ』が来れば拳上げ声を出すし、『恋のプリズン』が来たら踊りだす。『Seize the days!』では「ここは休憩した方がいい」と必死に説得する天使を「構うもんか、ぶちかませ」と悪魔が撥ね退け、揉みくちゃの渦に飛び込む。というかサークル空けられるスペースどこにあったんだ。

 

身体がついて行かなくても、気持ちはあの頃と何も変わらなかった。ひめキュンのライブが変わらず熱かったから。メンバーが最高に楽しんでいる分、こちらも負けじと楽しんだ。真剣勝負、これがひめキュンのライブだ。

 

 

好きなグループの曲となると、一番好きな曲はなかなか決められない。そんな私だが、ひめキュンの曲で一番好きなのは『果てしなき旅』だと即答できる。サビで「さぁ一緒に行こうよ」と歌ってくれるのが、とても温かい曲。

旅の途中、どんどん登っていって、「僕らの街」を上から見たときに、ああ、あの明りのひとつひとつ誰かが過ごしているんだ、と気づく。そこに暮らす人々のことが、よりわかってくる。より好きになる。ひめキュンが果てのない旅に出るように、それぞれがそれぞれの旅に出る。不安、悩み、葛藤… 強敵揃いモンスターと、誰もが戦っていかねばならない。だからこそ、「さぁ一緒に行こう」と歌うのだ。

 

落ち込んで前に進めなくなったとき、何度もこの曲に励まされた。そしてこの曲の歌詞にあるように、ひめキュンフルーツ缶とは「辛い時はいつでもここにおいで笑顔が全部包んでいく」… そういう場所だと実感した。

終演後の最後の握手で、岡本真依にこのことを伝えたとき、私は泣いてしまったが、彼女は「ひめキュンの曲好きでいてね、これからも聴いてね」と笑顔で答え、「またね」と見送ってくれた。ああ、やっぱり。いつでも戻れる場所なんだ。大好きだなあ、ひめキュン。涙は相変わらずだったが、笑顔になれた。

 


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5人のひめキュンが最後にもう一度見られたのも嬉しかった。岡本真依、奥村真友里、菊原結里亜、谷尾桜子、そして、河野穂乃花。やっぱり5人でひとつだ。

そんな流れで新生ひめキュンが登場したのは、まだ心の整理も何もついていなかったので、正直戸惑った。しかし新生の子たちも交えて、皆で『ひめキュン参上』を歌ったとき、橋が架かったというか、終わりと始まりが繋がって輪になったような感覚になって、「この子たちがひめキュンを受け継いでいくんだなあ、がんばれよ」という気持ちになった。

実を言うとこの瞬間までは新生ひめキュンなんてまったく興味なく、この先見るつもりもさらさらない、なんて思っていたのだが、また近いうちに観に行こうかな、と少し思えた。

 

 

素敵な最後だった。しかし『バズワード』が聴けず終わってしまうのは寂しい。そんな思いが爆発したのか、終演後にちょうど流れ出した『バズワード』のBGMに合わせて、フロアに残ったファン皆で大合唱。

「世界は時々夢を見て 僕等の真上で光ってる 生きて行く気持ちのつぼみを 大事に大事にあたためた 抱えたものがそれならば 僕等は夢を見る」

どこまでも、どこまでも届いてくれ、という気持ちで、出ない声ふりしぼって歌った。

 


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大街道で飲んで、銀天街のネットカフェで気絶。そんな僕のところにでも、新しい朝は規則正しくやってくる。嘘みたいに晴れた松山の街を少し歩いて、サロンキティまで行こうとして、やめた。帰りのバスを取って、待合でぼんやりと座っているとき、不意にこのフレーズが頭の中に響いた。

「アイの奇蹟を信じますか?」